YASU MICHINO DESIGNER AND FOUNDER
幼少期の夢
東京で生まれ、北京、香港、ボストン、ニューヨークで多感な時期を過ごし、そしてパリで修行を積んだ僕の道のりは、世界と自己の探求そのものでした。
Michino は、まさにその道のりの反映です。夢を追いかけ、多様な文化や人々、場所との出会いから生まれたクリエーションなのです。
幼少期に初めてパリを訪れた瞬間から、僕には一つの夢がありました。それは、「パリに住み、フランス語を話し、デザイナーとして働くこと。」その日から僕がしたことはすべて、この夢を叶えるための準備でした。フランス語を第二言語として習得し、インスピレーションの源を得るために美術史を学びました。そして、後に仕事を見つけることを願い、まずはファッション学生としてパリに移り住みました。
ある日目覚めて、僕は自分が夢を生きていることに気づきました。
東京からニューヨーク、そしてパリへ。「夢を追いかける(Follow your dream)」—それは単なるモットーではなく、常に僕を導く力となってきました。
予期せぬ始まり
実は、僕は初めからハンドバッグをデザインしようとしていたわけではありません。僕の道のりは、ある予期せぬサプライズから始まったのです。
2005年、サンジェルマン大通りにあったソニア・リキエルでの初めてのプロの仕事に就きました。ウィメンズウェアのデザインインターンとして採用されたのですが、初日にそのポジションが別のデザイナーに渡ってしまったことを知らされました。
代わりにコレクションディレクターから、「アクセサリースタジオで働いてみないか」と尋ねられました。それまで、ハンドバッグをデザインするという考えは頭の片隅にもありませんでしたが、僕は即座に「イエス」と答え、この予期せぬ機会を喜んで受け入れたのです。
この衝動的な「イエス」が、僕がその全てを捧げることとなる、レザーグッズの芸術としてのキャリアをスタートさせました。
その日以来、僕はサンローラン、ジバンシィ、デルヴォーといった象徴的なメゾンでデザイナーを務める機会に恵まれました。2014年にMichino を立ち上げた後も、バレンシアガやカルティエ、などの一流のパリのメゾンで、コンサルタントデザイナーとして仕事を続けてきました。僕のポートフォリオは、クラシックからエッジの効いたもの、スポーティブなものからビスポークのラグジュアリーバッグまで、多岐にわたるスタイルを含んでいます。
現在のMichino
現在のMichino は、これらすべての経験の集大成です。
同時に、僕の日本のルーツとパリで培った技術の最良の部分を活かすための、僕のデザイン研究所でもあります。一言で言えば、それは「フレンチ・エレガンスと日本の簡潔さ」です。
Michinoの立ち上げ当初は、様々なスタイルを探求するコレクションでしたが、僕自身のクリエイティブな方向性を理解するには時間が必要でした。多くのパリのメゾンで働いていたため、スタイルに適応することに慣れていましたが、Michinoにおいては「自分自身であること」が求められました。時に、それは最も難しい課題でした。
Michino のバッグは、エレガントでありながらカジュアル、機能的でありながらシンプル、使いやすいだけでなく、特別な場面にも寄り添える洗練を兼ね備えています。
僕は、特定の調達先からの最高品質の素材と卓越した職人技に強い関心を持っています。この多用途性(ヴァーサティリティ)と卓越性の探求こそが、Michino をユニークな独立ブランドにしていると信じています。